こんにちは。着物が大好きなひりまるです。
呉服屋さんをのぞくと、着物の形をしたものもありますが、反物の状態のことも多いですよね。反物の状態だと、着物になったらどんな風になるのか想像がつきません。
だから、着物屋さんでは反物を着物みたいに着せてくださることがあります。すると、グッとイメージしやすくなります。
着物屋さんでは反物を着物を着ているような状態に着付けてくださることがあります。ささっと着せてくださいますが、どんな風にしているのか、気になりませんか。今回は反物を着物のように着付ける、反物着付けの方法について説明します。
反物とは何か?着物との違いを理解しよう
反物(たんもの)というのは、着物を作るための布地のことです。長さ約12メートル、幅が約36センチくらいの布がくるくるっと筒状に巻かれています。小紋や付下げなどが反物の状態のことが多いです。通常の着物とは違って、まだ裁断されていない状態の長い布です。着物は既に仕立てられていますが、反物はこれから形を作り出す素材なんです。
反物を着付ける前の準備
反物を着付ける前に、いくつか準備が必要です。まず、以下のものを用意しましょう。
- 反物(もちろんですね)
- 腰ひも(2~3本)
- 美容衿(嘘つき衿)または半襦袢(長襦袢でもいいです)
- 衿芯
- ピンチ(4本くらい)ないときは洗濯ばさみ
着付けの場所は、大きな鏡の前がおすすめです。自分の姿全体が見えると、バランスを取りやすくなります。
反物の着付け方:基本のステップ
それでは、実際の着付け方をご紹介します。
1 美容衿をつけます
まず、美容衿(嘘つき衿)をつけます。衿のついた半襦袢でもいいです。着物になったときにどんな感じか見るための着付けですので、長襦袢の衿の部分があるもので大丈夫です。衿芯が入っていない場合は、衿芯を入れてからつけるようにしましょう。
長襦袢や半襦袢の場合は、腰紐を使って固定しましょう。
2 下前を作ります
下前とは身体の右肩からの部分です。二つ折りにした山の部分をウエストの方にします。首側の方を外側に2回折ります。1回目は小さく折ります。2回目は少し大きめに折ります。この部分が折り折り返し衿になります。
作った衿をウエストあたりまで整えて肩とウエストをピンチで固定しておきます。
3 袖になる部分の布をとります
下前の続きの部分を両手を広げて3つ分取ります。この部分が両袖になります。この部分は後で作るので背中の方に垂らしておきましょう。
4 上前を作ります
3の続きの部分で上前を作ります。上前とは、身体の左肩からの部分です。首側のほうを内側に折ります。首側の方だけ外表で2重になります。次に、この2重になった部分を外側に折り衿を作ります。先ほど作った衿と同じくらいの幅になるようにするとキレイです。
こちらもウエストあたりまで整え肩とウエストをピンチで固定します。
5 おはしよりを作ります
4の続きの布をキレイに整えて上に持ち上げます。その布をきちんととめるように腰紐で固定します。固定したら上に上げていた布をおろします。この部分がおはしよりになります。
先ほど作った下前と上前も一緒に押さえるのでウエストにとめておいたピンチは外しましょう。
6 両袖を作ります
3でとった布で両袖を作ります。
下前の続きの布で右袖を作ります。袖は下の方が輪になって2重になります。片側の方を少し内側に折り、布端が見えないようにして衿のところのピンチで衿と一緒にとめます。
右袖の続きの布で左袖を作ります。作り方は右袖と同じです。
左右の袖が同じくらいの長さになるように注意します。布が余る場合は、背中の方に垂らしておきます。
整えて完成です
おはしよりを作った続きの布はそのまま下におろし、キレイに整えます。残った反物は、前に垂らした布より内側に隠して完成です。
着物に仕立てたときの雰囲気がわかりますよね。
何度か挑戦するうちに、コツがつかめてきます。失敗を恐れずに、楽しみながら取り組んでください。
まとめ:反物での着付けを楽しもう
反物での着付けは、最初は難しく感じるかもしれません。でも、やってみると結構簡単です。
家にある反物を着物に仕立てようかイメージができずに迷っていらっしゃるかたも、ぜひ試してみてください。
失敗しても大丈夫。きっと、着物の新しい魅力に出会えるはずです。
みなさんの素敵な着物姿を想像すると、わくわくしてきます。困ったことがあれば、いつでも相談してくださいね。一緒に、素敵な和の世界を楽しみましょう。